呼吸器疾患と歯科治療

全身疾患

ぜんそく

感染症との違いは熱が出ない事

アレルギー性の炎症のため自律神経の影響を受けやすい

⇒日内変動(夜間から明け方に咳がひどくなる)

かぜ

そもそもかぜ症候群って?

咽頭痛、鼻水、鼻づまり、咳などの複数の症状を伴うウィルス性上気道炎

インフルエンザ以外では、ライノウィルスが約40%で、その他コロナウィルス、パラインフルエンザ、RSウィルス、アデノウィルスが多い

潜伏期間は1~3日で、季節の変わり目に流行、亜系が多く免疫ができにくい

かぜの自然経過は?

咽頭痛が2日前後続く

その後鼻水や鼻詰まりが3日前後続く

そして鼻水が薄まってくると咳が残り、長いと2週間程度咳が続く

免疫力、体力があればこのまま自然治癒

かぜに抗菌薬?

睡眠不足、加齢などで免疫力低下があれば細菌感染が合併

咳→気管支炎、肺炎  鼻水→副鼻腔炎、中耳炎  これらには確かに抗菌薬が効く

だから発症してから10日以内のかぜ症候群には抗菌薬は原則、御法度!

1回抗菌薬が投与されると、約6カ月は本人から耐性菌が検出される!

抗菌薬は未来につなぐべき人類の財産!

かぜ症候群には解熱剤、鎮咳薬、漢方薬などの対症療法と十分な睡眠が基本!

誤解の多いかぜの感染経路

  • 空気中の飛沫感染よりも、手を介した接触感染が主
  • まず風邪を引いた人が、くしゃみや手を介してイスやテーブルなどに唾液を付着させ
  • 他の人が手を介してウィルスを自分の口や鼻に運んで感染
  • むやみに自分の口や鼻を触らない習慣を身に付けることが一番重要!
  • 歯科医院では、器具やユニットの消毒や清拭が十分かチェック

ウィルスは多臓器、細菌は一臓器に感染

内科医の心得として、発熱患者で咽頭痛、咳、鼻水などの複数症状はウィルス感染!(のど、鼻、肺の多臓器)

咽頭痛だけで、咳を伴わない発熱は細菌性扁桃炎

鼻症状と副鼻腔の圧痛だけの発熱は細菌性副鼻腔炎

咳や痰だけの発熱は細菌性気管支炎

飛沫感染と空気感染

インフルエンザやかぜは近距離感染の空気中の水分を含んだ飛沫感染

飛沫は吸い込まれても気道粘膜の線毛運動により排除されることが多い

結核、麻疹、水痘は水分を含まず飛沫核という微粒子で長時間空気中を浮遊することができるため長距離感染する

ちなみにノロウィルスやO-157などは接触感染となる

肺炎

  • 誤嚥で口腔内細菌が大量に肺胞に達したり、上気道炎が拡大すると気管支炎から肺炎になる
  • 高齢になると不顕性の誤嚥リスクが高まり、口腔ケアが重要となる
  • 市中肺炎の原因菌やウィルスは約40%しか判明していない
  • 約12%が肺炎球菌で、同率でマイコプラズマや肺炎クラミジアが日本では多く、インフルエンザやライノウィルスなどのウィルス性肺炎が増加中

誤嚥性肺炎

健常者の45%が睡眠中に不顕性誤嚥をしている

意識障害を伴えばさらに75%に跳ね上がる

市中肺炎を起こした高齢者の71%で不顕性感染があるが、肺炎の既往のない同年齢者は10%のみ!

仰臥位での経管栄養は臨床的に問題となる誤嚥を21%から98%へ跳ね上げる!

口腔ケアはサブスタンスPを介して嚥下障害を改善する

肺炎の治療

  • 高齢者の重症肺炎では、受診後6時間以内に抗菌薬を開始しないと死亡率が増加する
  • 原因菌が不明でも、ウィルス性肺炎が疑わしくても、混合感染を考え抗菌薬投与が必要
  • 外来では、クラリスロマイシン、ドキシサイクリンが第一選択
  • 合併症(糖尿病、肺気腫、腎不全、心不全)などがある場合や、3カ月以内に抗菌薬投与があった場合は、耐性菌が付いているため、レボフロキサシンかモシフロキサシン単剤かアジスロマイシン+アモキシシリン/クラブラン酸にランクアップ
  • 地域のアンチバイグラムがあれば参考にする

肺結核

結核菌による呼吸器感染症で全結核の8割

2週間以上の頑固な咳と微熱 長期的に体重減少しやがて血痰を吐出

罹患率は先進国の中では高水準

潜伏期間は75年以上の場合も

多剤耐性結核の問題=キノロンの乱用