
実際に舌の力が衰えてくると、誤嚥性肺炎発症リスクが高まり、亡くなるリスクが急上昇する事がわかっています。
エビデンスとしては、『平均年齢84歳の入院高齢者60名を対象に舌圧検査を実施し、舌圧が20kpa以上の方は1年以内に肺炎で死亡しなかったが、舌圧が20kpa以下の方は1年以内に肺炎で56%死亡した』です。Effect of decreased tongue pressure on dysphagia and survival rate in elderly people requiring long-term care – PubMed (nih.gov)
舌圧を測定する方法としては以下のものがあります。




皆さんが実際に使用しやすいのは、ペコぱんだだと思います。
舌圧が20kpaかどうかで1年以内に半数肺炎で亡くなるという凄いデータだと思います。
実際に嚥下機能が衰えてきたときには、何を食べるかも重要となります。

また、介護施設で提供される嚥下食の例がこちらとなります。

食べるという行為は、噛んでバラバラになった食べ物を食塊形成という段階を経て、嚥下していきます。
食塊形成とは、上下の歯が噛み合い,下顎が固定され,頬と舌が協調して食べ物を舌の上に集めます。この状態から舌が前方から徐々に盛り上がり,食塊を口腔の後方へと移送(嚥下口腔相)します。
この時,嚥下反射が引き起こされ,この後の動作は不随性(反射性)に進行します。口腔のうしろには咽頭と呼ばれる器官があり,食塊はここを0.5秒ほどで通過します(嚥下咽頭相)。咽頭は下部で食道と気管につながっており,通常は呼吸のための通路として働いていて,嚥下のときだけ食塊の通路となるのです。
このような過程の中で、食品の物性が食塊形成のしやすさに関わるわけです。
意外というか、気を付けて説明する必要があると思った事が、入れ歯で噛みづらくなってしまった方への説明です。入れ歯では大きいものをほお張ったり、繊維質のものを噛み切るのが難しくなります。そのため食べ物に包丁を入れて小さくしてから食べてくださいと伝えています。
しかし、あまり小さく切りすぎるとかえって食塊形成しづらくなるということです。千切り、みじん切りと調理するにつれ、飲み込むのに時間がかかってしまうということです。
ですから適度な大きさに切る、隠し包丁を入れる、程度に留めてくださいと説明するようにすべきと思いました。
さらに工夫するならば、とろみをつける。例えば味付けとしてマヨネーズを加えて調理したり、あるいは片栗粉・小麦粉で直接的にとろみをつけると良いようです。

