たばこ・・・

全身疾患

タバコについて 「吸う権利や自由もあるだろう」
とおっしゃる方々もいらっしゃいます。しかし、

  • 「喫煙の常習性」 の本態は 「ニコチン依存症」 です
  • 喫煙で多くの方が様々な病気となり苦しんでいます
  • 受動喫煙で多くの喘息患者さんが苦しんでいます
  • 新型タバコでも多くの健康被害が報告されています

自分への健康被害

不完全燃焼した有害物質を吸入し、70種類以上の発癌物質を体内に入れてしまいます。それにより、

  • 強力な血管収縮作用をおこし、脳血管も収縮⇒脳卒中や認知症
  • 歯肉の血流不足⇒歯周病
  • 活性酸素により遺伝子に傷⇒がん
  • 活性酸素により動脈硬化⇒くも膜下出血や大動脈解離
  • 活性酸素によりコラーゲン破壊⇒シワの増加
  • 肺気腫⇒COPD
  • アディポネクチンを減少⇒糖尿病
  • 一酸化炭素吸引で筋肉が酸欠⇒運動力低下

歯石が硬くなり、取りにくくなります!!

3倍硬いバイオフィルムにより歯周病が悪化しやすい!

私が実際に喫煙者の歯石を取っていても、なかなか取れないと感じています。

歯石が沈着している場所も歯肉の奥深くなので、取り残すリスクも高まります!

まわりの人(受動喫煙)への健康被害

~過小評価される受動喫煙~

小さな煙の粒子は目に見えません

  • 蛍光灯の光では見えない小さな粒子も、特殊な光を当てると見えてきます。
  • 完全にタバコを吸わされているのが分かります。
  • 受動喫煙は、まさに喫煙行為そのものと言えます。

副流煙は主流煙より有害です!

主流煙

煙を吸いこむ時には、
タバコの先端の温度は
900℃にも達するため
発癌物質も分解される

副流煙

煙を吸っていない時、
タバコの先端温度は
300℃~400℃程度

受動喫煙で年間1万5千人が死亡

交通事故での死者数の6倍の方が受動喫煙で亡くなっていると推計されてます。

職場の受動喫煙でもCOPDが発症(1.5倍)

受動喫煙でも糖尿病の発症が増える(非喫煙者の1.5倍)

受動喫煙により、3倍近く歯周病になりやすくなります(喫煙者は5倍)

新型タバコによる健康被害

加熱式タバコによる健康被害

加熱式タバコによる急性好酸球性肺炎、時には劇症型となり生命の危機になることも・・・

CDCによると、電子タバコで2807名肺炎、68名が死亡しています。

また添加物が加熱されることにより(明確なものは現時点でビタミンE)肺炎を引き起こすことがわかっています。

PG・Glyは気道上皮細胞の増殖を抑制=COPDリスク

メーカー調査されていない化学物質の存在

有名なホルムアルデヒドが検出しないことで安全と言われますが、変化したホルムアルデヒド・へミアセタールも有害物質です。

by The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE 2015;372(4):392-394.

Jensen RP.et.al

熱により加熱コイルから金属が溶出

加熱コイル由来の金属フュームを吸入することになります。

  • クロム、マンガン、ニッケル、鉛、錫、亜鉛 etc.様々な金属の溶出が確認されている
  • 溶接工肺(塵肺)の原因となる
  • 2017年にIARC(国際がん研究機関)は金属ヒュームを、group1の発がん物質に認定しており、肺がんの発症も危惧される
  • クロム:気管支喘息、皮膚障害、鼻中隔穿孔
  • マンガン:神経障害、パーキンソン病
  • 鉛:造血障害、神経障害、腎障害 etc

加熱式タバコでも高血圧のリスクは同等

電子タバコでもCOPDを発症

電子タバコ(ニコチン)がCOPDを誘発

ニコチンが気道上皮の繊毛運動を抑制

ニコチンがサイトカインやプロテアーゼ↑、エラスターゼやMMPが増加

細胞浸潤・炎症・組織破壊  (プロテアーゼは紙巻きタバコと同レベル)

毎日吸っていればCOPDには3.17倍の発症リスク

antwi GO,et al:Association between E-cigarette use and chronich obstructive pulmonary disease in non-asthmatic adults in the USA.Pubulic Health,44(1)158-164,2022.

新型タバコに変えることで「ハームリダクションになる」と考えてしまう理由

「有害成分の量」 と 「有害性」 は違う

従来の10%の有害成分でも十分危険

機能性表示食品が安全とは限りません

「有害成分量は減ったが害が減るかは不明

電子タバコが“違法薬物の温床”に

覚醒剤入り、大麻入りの電子タバコも蔓延している

電子タバコを規制する国が多数ある

電子タバコに置き換えただけ(「禁煙」の定義が違っている)

英国では電子タバコで禁煙支援(電子タバコを禁煙補助薬として喫煙者に無料配布)

「紙巻きタバコを電子タバコと交換させる世界初の計画」を2023年に行ったりしていますが、

80%の人が1年後も電子タバコ使用を継続してしまい、完全な喫煙には至りません

電子タバコの禁煙成功率はNRT(ニコチン製剤)より高い?1.5倍のオッズ?のようなデータもありますが、

WHOは電子タバコを禁煙に役立つ根拠が不十分のため規制するように各国政府に要請しています。(従来たばこ同様)

WHOは新型タバコによるハームリダクションは以下1~4の観点から適切ではないと述べています

  1. 新型タバコでも多くの健康被害が報告されている
  2. 新たな有害成分から新たな障害を生じる可能性
  3. ニコチン依存症には確立した治療法が存在する
  4. 禁煙意欲低下、家庭内受動喫煙、小児の誤飲、未成年の使用、違法薬物入りカートリッジなどの新たな社会問題も生じている
    (*日本には優先すべき禁煙政策が残っている)

禁煙支援・治療の実際と注意点

喫煙は単なるニコチン依存ではない

ニコチンの存在下で神経や体がバランスを取ってしまった状態

  • ちょうど良い休憩時間
  • ちょうど良い気分転換
  • 口さみしさの解消
  • 手持ち無沙汰の解消
  • 深呼吸(ため息)効果

➡喫煙行為自体への依存

国際疾病分類では「ニコチン使用症

米国精神医学会では「タバコ使用症

“禁煙外来のメリット“

・禁煙自体を勧めるより、間接的なアプローチとなる
・禁煙補助薬を使うと成功率がまったく違う

「3カ月間に5回受診するだけ」

禁煙外来の費用は1日約235円(タバコ半箱分)

「1日1箱吸うと1年で18万円以上かかります」

吸いたい気持ちを抑えるだけでなく、あまりタバコが美味しくなくなります

最初はタバコを吸いながらでOK

禁煙外来だと楽に禁煙できます

標準治療ですと2週間ごとの経過観察を2回行った後、1カ月ごとの経過観察を2回行い、全体としては3カ月間で5回の診察となるようです。

◎ニコチンパッチ

  • 保険適応
  • 皮膚からニコチンを吸収
  • 毎日一枚
  • 8週間を目安に貼り薬のサイズを小さくしていく

◎バレニクレン

  • 保険適応
  • ニコチンを含まない飲み薬
  • 禁煙時の離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制
  • 3カ月間服用

◎ニコチンガム

  • 薬局で購入
  • 口内粘膜からニコチンを吸収
  • 1日1個を吸いたくなったらゆっくり嚙む
  • 3カ月間で使用する頻度の減少を図る

<3種類の禁煙補助薬を上手に使いましょう>

ニコチンパッチ
自己負担額(3割)
バレニクリン
自己負担額(3割)
診療所
初診料or再診料
ニコチン依存管理料
院外処方箋料
約5830円約6040円
保険薬局
調剤基本料
調剤料
禁煙補助薬
約7260円約13920円
合計約13090円約19960円
5回の通院と仮定、ニコチンパッチは8週間、バレニクリンは3カ月とした場合

我慢する禁煙・節煙は成功しません

タバコへの未練を残さず“卒煙”へ

ニコチンへの依存が強い方には
我慢する禁煙や本数を減らす節煙を勧めしてはいけません!

➡体内のニコチンが枯渇した状態で吸うため 「やっぱり美味しい」 感じて心理的依存が強まることすらあります

禁煙治療アプリ CureApp SC
~日本初のデジタル療法~

呼気CO濃度を測定し、医師が禁煙の進捗状況を確認でき、スマホから禁煙支援を受けることができる